性格の変え方
                 
「性格は変わるのか?」の質問に答えて

性格は変わります。
必ず変わります。けれど、簡単には変わりませんし、スグには変わりません。

性格は、「変わればいいなあ。性格を変えることが出来たらいいだろうなあ」というような弱い意志では変わりません。けれど、正しい努力(正しい努力です)をすれば、必ず変わります。私は、カウンセラーという仕事をしていて、変わった人をたくさん見て来ましたので、それは断言できます。

「性格なんて変わらない」とおっしゃる方がいます。が、それは気質のことを言っているのだと思います。気質は、変わりません。一生変わりません。そうそれは、変わらない性格を指して、気質と呼んでいるからです。

「気質とは何か?」と言うと、それはひとことでは答えられません。
( 強いて言えば、外界とどう関わっているのか? 外界とどう結びついていると認識しているのか? ということになります。)
ただ、それは生まれつきのものであるということは言えると思います。
「生まれたばかりの赤ちゃんは、真っ白な存在であって、性格などない」というのは誤りです。子どもを何人も育てたことのあるお母さんなら、それは経験として知っています。
「何故、生まれたばかりなのに、性格があるのか?」と言うと、それは非常に難しい問題ですが、「遺伝がほとんどと、残りは、胎児の時代に作られたものではないか」と推測されます。( 遺伝というのは、親に似るという意味ではありません。親が持っているものが出たということです。ちなみに、親が持っているものであっても、親自身にも出ていないことはたくさんあります。)

気質について語り出すと、誤解をどんどん生み出してしまいそうです。
ですから、ここでは、これ以上触れないことにします。
もっと詳しく知りたい方は、どうぞエニアグラムの本をご覧下さい。


性格は4重構造になっています。
というより、4重構造になっていると考えた方が理解しやすいということです。
性格の核とも呼べる気質については、ほんの少しだけ説明しました。
ここでは、これ以上説明しませんが、ひとことだけ言わせて下さい。気質は変わりません。だから変えようとするものではありません。また、気質に良いも悪いもありません。大切なのは、自分の持っている気質を知り、それを愛し、それを活かして生きることです。
次に、
気質を包むように、狭義の人格があります。
こちら(狭義の人格)については、エゴグラム性格診断で、概ね知ることが出来ます。
狭義の人格については、幼少期の頃に、ほぼ形成されます。これは、養育者(親であることが多い)の責任であり、本人の責任ではありません。
この狭義の人格については、大人になってからは、もう多くは変わりません。(少しは変わります) 後は、それをどうやって活かすか? ということになります。 これについては、親の責任ではなく、本人の責任です。くりかえします。狭義の人格を形成したのは養育者の責任ですが、それを維持しているのは本人の責任です。
次に、
狭義の人格を包むように、習慣的性格があります。
ここが1番大事で、この部分が努力次第で、いかようにも変わるところです。
「何故、大事か?」と言うと、人は、習慣的性格で、人や物や事態に接しているからです。「性格が悪い」と称される人は、悪しき習慣を持っている人という意味です。
習慣的性格は、「人とどう接するか?」ということが主で、そこで発揮されます。
例えば、人にいきなり足を踏まれたら、痛いと思うでしょうし、腹を立てるかもしれません。が、そこで「バカヤロー」と言うか、「恐れ入ります」と言うかで、その人が評価され、その人の価値が決まってくるということです。ニッコリ笑って挨拶するか、そっぽを向いて挨拶するかで、「愛想のいい人だな」とか「無愛想な奴だな」と思われる、ということです。通常、人が人を指して「○○さんは、こういう人だよ」というのは、この習慣的性格を指していっているに他なりません。もっと大雑把に言えば、この習慣的性格は、態度と言ってもいいかと思います。私が「性格が変わる」と言っているのは、この習慣的性格のことを指して言っているのです。
自分の習慣的性格が変われば、人が自分に接する態度も変わってきます。そこで、より幸福を感じるようになったり、不幸を感じるようになったりするということです。
習慣的性格については、自分自身に対する評価(自分が自分をどう見ているか)と、他者から自分はどう扱われているか、どう評価されているかによって知ることが出来ます。いわゆる、「他者は、自分の鏡である」ということです。
次に、
習慣的性格を包むように、役割性格があります。
この部分は、時や場合や状況によって、意識的・無意識的に、瞬時に変わったり変えたりします。皆さんだって、会社にいる時の自分と、家にいる時の自分と、友達と一緒にいる時の自分は違うでしょ? そういうことです。
大人になるということは、この役割性格を、社会に適応するよう上手に変えていくことが出来るということです。私だって、講師でいる時と、とカウンセラーでいる時と、とプライベートでいる時では、全然違います。(^_^;)
時々、「人は二重人格であってはならない。誰に対しても同じように接するべきだ」とおっしゃる方がいますが、それは間違っています。その人が言う、「二重人格がいけない」というのは、「二重のうちの一つが、良くない人格だから、不適切な人格だからいけない」という意味です。二重の、どちらも良い人格・適切な人格であれば、それで問題ないわけです。

 

前置きが長くなりました。(でも大事な前置きです)

@ 性格を変えるためには、まず自分自身を知らなければなりません。
出来れば、気質も、狭義の人格も、習慣的性格も把握しておいた方がいいです。
実はここが、1番難しいところです。そう私たちは、自分のことをよく知っているようで、案外よくわかっていないのです。
A 次に大切なのは、「どんな人になりたいか?」ということです。
この場合の「どんな人?」というのは、習慣的性格のことを言います。性格を変えるということは、習慣的性格を変えるという意味です。習慣的性格が変われば、人からの評価も変わってきますので、その奥の、狭義の人格も少しずつ変化していきます。
B 最後に、なりたい自分になるべく、行動を変容させていくことです。
習慣的性格は、行動の束です。そう、行動の束が、習慣的性格なのです。だから、行動を変えていくのが大切なのです。

地図で例えて言えば、
今自分は、何処にいるか?
次に、どこに行きたいか?
最後に、実際にどのような手段で行くか? を決めて出発する!
ということです。
多くの方は、今自分が何処にいるのか把握しておりません。だから、北に行けば目的地に着くのか、南に行けば目的地に着くのか、わからなくて迷うのです。そして、さらに、自分が行きたい場所が、本当に自分の望んでいる場所なのか、非常に疑わしいところがあります。実際、人が「いい」と言っていたからという理由で、なんとなく自分も行きたい場所であるような気がしている…ということは少なくなく、実際に行ってみて「ちょっと違うな」と感じることは、かなり多いかと思います。最後、行きたい場所が決まったら、行く方法(歩きなのか、バスなのか、電車なのか、飛行機なのか)を決めて、準備を整えて、実際に出発することです。

おさらいです。
自分の性格(習慣的性格)を変えるためには、
まず、自分の性格(気質・狭義の人格・習慣的性格)を知ること、
次に、なりたい自分を見つけること、
そして、具体的に行動を起こしていくことです。

自分のことを嫌っている人は、自分と正反対の性格になろうとします。が、それは徒労と挫折に終わることが多いです。大切なのは、自分の性格(気質・狭義の人格)を生かしながら、習慣的性格(態度・癖のようなもの)を変えていくということです。
それから、なりたい自分ですが、「優しい人になりたい」とか「強い人になりたい」等という目標では、ペケです。そのような、誰にでも思いつくような安易な目標を立てると、挫折感と敗北感に打ちひしがれるだけです。目標は、より具体的でなければならず、達成していっているのかどうか、わからないような目標ではよくないということです、

自分の性格を知るためには、性格診断を受けてみること、内省すること、感情を交えて本音でトークすること等が必要です。
(注)そう、本音で話をすることによって、はじめて自分という人間を知ることが出来るようになるのですよ。
自分の真の性格(気質・狭義の人格・習慣的性格)を知ることが出来れば、「自分という人間は、どのような状況だと、幸福を感じられるのか?」が、わかりますので、なりたい自分が見つかります。
(注)「本当になりたい自分」を見つける作業が、実は1番大変なのですが…。
なりたい自分が見つかったら、習慣的性格を変えるために、実際に行動を変容させていきます。
(注)間違って、気質を変えようとしないで下さいね。気質は変わりませんので…。

上に記した作業を、1人で行うのに困難を感じる方は、どうぞお近くのカウンセラーを訪ねてみて下さい。カウンセラーは、きっと力を貸してくれる筈です。
カウンセリングルームは、性格改善という難しい作業を、安心して出来る数少ない場所ではないかなと思います。カウンセラーは、クライエントがどのような自分を目指せばいいか、どのような行動メニューを持てばいいか、適切なアドバイスをする能力と技術を持っているものですし、挫けて後退しそうになるクライエントを、辛抱強く見守ったり、時には厳しく、時には優しく、励ましたり慰めたりしてくれます。
ちなみに、性格改善を試みて失敗する人は、自分という人間をよく知らないがために、適切な目標を見つけることが出来ず、さらにそのことにさえ気づかず、無駄な努力をして疲れ果て、あきらめてしまう…ということがほとんどです。

性格はスグには変わりませんし、簡単には変わりません。でも必ず変わります。努力次第で、いかようにも性格(習慣的性格)は変わります。カウンセラーは、そんなあなたのお手伝いをします。

カウンセリングの予約は、こちらからお願いします。

時折、○○性格改造セミナー等で、短期間に性格を変えようとされる方がいますが、それは危険なことです。ほとんどの方は、「一定期間だけ、躁状態になっている」というだけであることが多く、セミナーから帰って来た後は周囲から浮き上がり、やがて躁状態から覚めると、長い鬱状態に陥ります。私は実際に、そのようなクライエントに会ったことが何回もあります。
性格改造セミナーでは、明るい自分・積極的な自分・前向きな自分・プラス思考で物を考えられる自分になるよう、押し付けてくることが多く、その人が本来持っている気質や狭義の人格をほとんど無視しますし、具体的な行動にあたっては、性格改造セミナーの宣伝マン・営業マンになるよう迫ってくるというお粗末なメニューしか用意していません。(もちろん、例外もあります。全ての性格改造セミナーが、そうだとは申しません) やはり性格改造は、その人のペースで、焦らずあきらめず、コツコツ進めるより他ないのではないでしょうか。
性格の変え方については、以上です。
認知の変え方については、性格の部分を認知と読み替えて、お読みご理解下さい。

 


心の金曜日