「外国人参政権」反対の切り口
 

目次

沖縄の地方自治を永住米国人が席巻してもよいか
反響
朝鮮は日本の「旧植民地」か


  沖縄の地方自治を永住米国人が席巻してもよいか

【平成16年9月27日配信】
 
 平成16年10月。
 「外国人参政権」問題をどう論じるかで、論者の知性が知れる月だ。
 
 在日韓国人利権と結託(けったく)した創価学会政治部(=公明党)が、国会に法案を上程する予定なのだ。 
 正確に言うと、「永住外国人」に「地方選挙権」を与えようというもの。
 
  全ての外国人が対象であるわけではない。
  国政選挙は対象外。
  選挙に立候補する権利は与えられない。
 
  地方自治体選挙での投票権を与えようというのだ。
  非・日本人に、血税の身近な使い道を左右できる力を与えようというものだ。
 
  「永住外国人参政権」を求めているのは、ずばり、
在日本大韓民国民団。
在日韓国人の利権を取りまとめている団体だ。
 
 しごくまともな韓国国会の結論 ■
 
  端的にいえば、コラム子は「永住外国人地方選挙権付与」に反対だ。これに賛成するのは、知性への冒涜(ぼうとく)である。
 
 そもそもこの問題は、韓国国会が平成14年2月28日に出した極めて穏当な結論でもって、「解決済」なのである。 
 韓国国会は、永住外国人に選挙権を与えるのは「憲法違反」だ、と満場一致で結論づけている。
 「主権は国民にあり」という大韓民国憲法第1条に反する、というのだ。(日本国憲法でも、国民主権が第1条で規定されているが。)
 
  平成14年3月の産経新聞の報道をご覧あれ。
 
≪【ソウル1日=名村隆寛】  在日韓国人への参政権付与を求めている韓国だが、韓国内の永住外国人に選挙権を与えるとする条項が1日までに選挙法改正案から削除された。
 
先月28日に開かれた国会本会議で、選挙法改正案から取り除かれ通過した。本会議前の審議で憲法第一条の「主権は国民にある」との規定に反するとして満場一致で削除された。
 
韓国での外国人参政権問題は、金大中大統領が日本政府に在日韓国人への参政権付与を要求してきたことや韓国の「世界化」を目的に推進。国会政治特別委員会で導入に合意していた。≫

 
 北方領土が返ってくると… ■
 
 外国人参政権問題は、4年前の平成12年にも政治の焦点になりかけた。
 このときコラム子が書いた評論がある。題して「北方領土の外国人参政権」。
 当時はまだメールマガジンを出していなかったので、ホームページに掲載しただけだった。今日でもそのまま通用する内容なので、転載させていただく。
 
≪【平成12年10月9日】
 
 北方領土が返ってくると、択捉(えとろふ)島、国後(くなしり)島、色丹(しこたん)島の1万4千人あまりのロシア人は、いわゆる「永住外国人」となる。 
 この人たちがロシア国籍のまま日本での選挙権を得てもよいのだろうか。とんでもない悪夢ではないだろうか。
 
 択捉(えとろふ)島には、択捉郡留別(るべつ)村、紗那(しゃな)郡紗那村、蕊取(しべとろ)郡蕊取村という3つの村がある。
 今のところ日本国籍の人間は1人も永住せず。ロシア人が8,200 名ばかり。
 
 「日本に永住する外国人に地方自治体の参政権を与えよう」という、とんでもない法律が国会を通過せんばかりだ。
 さて、この法律ができると、どういうことになるか。≫
 
 外国人が日本人の血税の使いみちを決める日 ■
 
≪北方領土返還バンザーイ!と叫んだ次の瞬間、留別村や紗那村の村長・村議会議員を選ぶ初の選挙の有権者は、圧倒的多数がロシア人、ということになる。
 
 おそらく日本国籍の有権者は、北海道庁と自衛隊からの少数の派遣者、それに村長・村議会議員の被選挙権を得るために不承不承(ふしょうぶしょう)日本国籍に帰化した少数の元ロシア人、というところだろう。
 要するに、選挙はロシア人によるロシア人のための選挙ということになる。
 
 中央政府や北海道道庁からこれらの村に与えられる予算の使途を、ロシア人が選ぶ行政・立法者たちが決めていくことになるのだ。喜劇を超えて、悪夢のような話である。
  
 「永住外国人のための地方参政権付与」の法律は、韓国の金大中(きん・だいちゅう)大統領がご執心だ。
 「日本相手に何かを勝ち取ったぞ」と韓国内で点数をかせげると錯覚しているのだろう。
 なぜか公明党も熱心だ。在日韓国人に創価学会の信者が多いのだろうか。
 
 しかし、である。
 この法律が出来ると、冒頭に挙げたような実に奇怪な事態をまねくことになる。どう見ても変な法律だ。
 そう思いませんか?≫
 
 「在日」は韓国人・朝鮮人だけではないのに ■
 
 「在日韓国人」「在日朝鮮人」。
 
 「在日台湾人」
 「在日中国人」。
 
 「在日アメリカ人」。
 
 なぜ、「在日」というと、「在日韓国人」「在日朝鮮人」のことになるのか。
 「在日韓国人」「在日朝鮮人」が、あるときは「外国人」の顔をし、あるときは「日本人並み」を主張する、極めて特異な存在だからだ。
 だから、「在日」というじつに屈折したネーミングが、発酵して独特のにおいを放つのだ。
 
 生活保護は、外国人には適用されないのが原則なのだが、在日韓国人・在日朝鮮人には例外的に認められている。
 
  個々人は感謝しているかもしれないが、在日韓国人・朝鮮人組織は感謝などするものか。
 生活保護だけでなく、年金もよこせ、と日本政府に要求している。
 
  この口うるさいところが、ふつうの日本人には堪えられないのだ、ということが分からないだろうか。
 
  「在日台湾人への差別」なんて、聞いたことありますか?  韓国人・朝鮮人には、ぜひ静かな台湾人を見習ってほしい。
 
 帰化許可申請者数の統計がある。
(統計が役所仕事なので、台湾人は「中国人」に含まれている。)
http://www.moj.go.jp/TOUKEI/t_minj03.html
 
 見れば、平成15年に日本国籍取得(帰化)を許可された人の数は
韓国・朝鮮  11,778名
台湾・中国   4,722名
その他       1,133名。
 
 台湾人・中国人が意外に多いことにびっくりされた向きも多いのではないか。
 
 民団幹部が恐れる「裸の王様」の明日… ■
 
 日本での参政権が本当に欲しければ、日本に帰化すればいいのである。
 条件はさほど難しいわけではない。
http://www.office246.com/kika/youken.htm
 
 だから、上述のように毎年、万人単位で在日韓国人・朝鮮人も帰化している。
 帰化が「不許可」となったのは、平成15年では 150名にとどまる。
 
  ところが、在日韓国人が日本に帰化してもらってはどうしても困る人々がいるのだ。
 誰だろう。日本人ではない。
 
 「在日本大韓民国民団」の幹部たちである。団員がいなくなったら、幹部はただのオジサマだ。
 60万人余りを擁する民団だが、帰化する人は年々増えている。
http://mindan.org/toukei.php
 
 もしも在日韓国人が雪崩を打って日本に帰化してしまったら、民団の団員は激減し、幹部としての旨みもなくなってしまう。
 だから民団は、帰化することが人間としての恥辱であるかのごとく説いて、団員が減らないように頑張っているのだ。
 帰化しなくても日本国での参政権が得られるようにしたいと、民団幹部が願うわけである。
 
 沖縄の運命をアメリカ人が決めてもよいのか ■
 
 在日韓国人・在日朝鮮人に地方参政権を与えるなら、在日アメリカ人にも同様の権利を与えねばなるまい。
 沖縄県で、十万人単位のアメリカ人が永住外国人資格を取ったら、何が起こるか、朝日新聞や公明党は考えたことがあるだろうか。
 
 「十万人単位のアメリカ人が…」というのは絵空事のように思えようが、米軍と日本の外務省・法務省がタイアップすれば十分可能である。
 イラク戦役に比べればはるかに容易な業だ。
 
 沖縄の基地をどう扱っていくかが常に争点となる地方選挙に、当落を決する最大勢力としてアメリカ人たちが投票することになるのだ。
 
  それでいいのだろうか。
 「外国人が参政権をもつ」というのは、そういうことなのだ。
 
 「外国人参政権」賛成論者すべてに、ぜひコメントを求めたい。
 
 
 メールマガジンご紹介 
 
  書き手にぜひ会ってみたいメルマガのナンバーワン。
  
 ≪・・・・日本にある「朝鮮」の知られざるお話・・・・
  
評論家の堅苦しい話より、絶対おもしろい!
故金日成と写真まで撮った私が、朝鮮学校、朝鮮総聯、北朝鮮で見て聞いて学んだ事を、全て公開しちゃいます!

 
  この書き手、朝鮮国の刺客に闇討ちにされるのではないかと心配です。万一の停刊になる前に、ぜひ読んでみてください。
http://www.mag2.com/m/0000136546.htm
 
 とってもかわいい文体です。朝鮮もののニュー・ウェーブですね。
 
===
 
 後記 ■
 
 「外国人参政権」問題を、「些細なこと」と整理している日本人政治家が数多い。
 そういう人たちこそ、じつは韓国人・朝鮮人のパワーをバカにしている、「韓国人・朝鮮人差別」主義者なのです。
 
 コラム子は、韓国・朝鮮の新聞も読めるくらいには朝鮮語をマスターしています。(民団のヒラ団員より、よほど上手な朝鮮語かもしれません。)
 
  ひとつの言語をマスターするのは、相手の民族への相応の敬意がなくてはできないことです。そういうベースがあって書いたコラムです。
 
                   *          *          *
 
 発信者不明のホームページながら、資料的価値のあるアドレスをご紹介します。
 
  「永住外国人地方選挙権付与に反対するメール運動」
http://www.geocities.com/hinomarukimigayo2004/
 ↑ とても分かりやすく、熱く書かれたサイトです。
 
  「外国人参政権がなぜいけないか」
http://f47.aaacafe.ne.jp/~practice/001.html
 ↑ 淡々とした資料庫です。
 
 
  反  響
 
 岡山県倉敷市にお住まいの読者の方から9月29日にメールをいただきました。
 
 
≪いつも楽しくかつ刺激的なコラムを読ませていただいております。
 
9月27日号で、永住外国人、とくに「永住権を持つ在日韓国人・在日朝鮮人」の参政権について書いておられたので、つい 筆(キーボード?)をとりました。
 
私は在日韓国人3世です。
 
今回議論されている、すべての永住外国人に参政権を付与する法律には反対です。
 
考えてみると、私や私の両親のように、親子2代あるいは3代にわたって日本で生まれ育ったのに選挙権がないため疎外されていると感じる、そういう在日韓国人のもやもやが問題の発端になっていると思います。
 
ほんらい、「旧植民地出身」の在日韓国・朝鮮・台湾人、いわゆる特別永住者の問題は、日本国籍取得(帰化)という形で決着するのが歴史的経緯からみても筋が通っているのではないでしょうか。
 
◎ 祖父母が新天地を求め…… ◎
 
日本国により朝鮮半島が日本領となり、朝鮮人が日本人になり、私の祖父母が新天地を求め内地に渡りました。
 
日本が戦争に負け、朝鮮半島は韓国と朝鮮民主主義人民共和国になり、日本人だった祖父やまだ幼かった父母は「朝鮮籍」(国籍を意味するのでなく、半島出身者であること、日本人ではないことを示す)になりました。
 
半島から渡ってきた1世は、自分たちが日本人ではないという処遇に納得していたかもしれません。
でも2世である父母たちは、日本人の友達と同じように日本で生まれ育ち、同じように学校に行ったにもかかわらず、就職の際など朝鮮人、韓国人であることで冷遇されたことがつらかったようです。
 
それが、見たことも行ったこともない「祖国」としての韓国や朝鮮国にこだわる原因の1つにもなってきました。
 
さらにそれを政治的に利用しようとする団体の存在がこの状態に拍車をかけたのだと思います。
 
この問題は3世の私にもいぜん影響してます。
この素直でない精神状態が、泉さんのいう「発酵して独特のにおいを放つ」原因になっているのではないでしょうか。
 
◎ 「帰化申告制」がよいのでは ◎
 
この状態を解消するには、日本国籍取得がまっとうな方法だと思います。
 
それには、公明党が前回この問題を国会で審議したとき、自民党の一部の人たちが対案として出した「帰化申告制」が最もよいと思います。
 
特別永住者には申告の時点で直ちに日本国籍を与えるというものです。(表現が適切でないかもしれませんが、婚外子を自分の子として認知するのに似ていると思っています。)
 
もちろん、それでも日本国籍にならないという人は、韓国で選挙権を行使できるようにすればよいのではないでしょうか。
 
いわゆる特別永住権をもつ人たちの大多数が3世、4世になりつつあり、文化的・精神的バックグラウンドは日本人と変わりません。
この問題が帰化によって穏当に解決し、100 年後には日本に一字姓(金、張、孫など。すでに日本人にもいますが)が増えたなぁと言える日が来るのを願っています。≫
   

  朝鮮は日本の「旧植民地」か
 
 
わが配信誌(メールマガジン)の最大の宝は、レベルの高い読者の皆さんだ。上に掲載した倉敷市からの読者メールがその一例。
そのメールにあった「旧植民地」という一語が気になった。
この際に、と思って書いて配信したのが、下のコラムである。

【平成16年10月25日配信】
 
 倉敷市からいただいたメールで、この読者の方がおそらく無意識のうちに使われたであろう、「旧植民地」という用語について、語らせてください。
 「旧植民地」は、日本統治下の朝鮮を語るとき、ごく普通に使われ始めている用語です。
 
 しかし。
 「朝鮮」が日本の「旧植民地」であった、という言い方をわたしはしないのです。
 
 日本人が韓国人・朝鮮人に対してこれを使うとすれば不遜(ふそん)だし、韓国人・朝鮮人が使うとすれば実は卑下のしすぎだと思うのです。
 
 いただいたメールの片言隻句(へんげんせっく)をあげつらうようで、ほんとに申し訳ないのですが、この機会にわたしの問題意識を読者の皆さんと共有してみたいと思います。
 
 ヨーロッパ大陸に「植民地」はありや ■
 
 「植民地」という用語は普通どのように使われるでしょうか。
 
≪ロシア、プロイセン、オーストリアの3国は、ポーランドを分割占領し、ポーランドを植民地支配した。≫
 
≪英国はアイルランドを併合して、アイルランドを植民地として支配した。≫
 
≪ドイツのヒトラー政権はオーストリアを併合し、植民地支配した。≫
 
≪イングランドは、いまなおスコットランド、ウェールズ、北アイルランドを植民地支配している。≫

 
 ……。
 皆さん、何か違和感をお感じになりませんか。少なくとも、普通の世界史で、このような言い方はしませんね。
 
 「たしかに異民族支配だから、<植民地支配> といえば言えるかもしれないけど、ちょっとね……」
と腕組みされるのではないでしょうか。
 「植民地支配」という用語が、妙な暗喩(あんゆ)として一人歩きしている。
 
 文明の落差 ■
 
 この違和感の理由は何でしょうか。
 
 ふつう、「植民地支配」というのは次のような使われ方をしま
す。
 
≪英国はインドを植民地支配した。≫
 
≪フランスはベトナム、ラオスを植民地支配した。≫

 
 支配する側から見たとき、「植民地」として支配する先は「絶対的な文明の落差があるところ」です。
 
 英国人は、英国人とインド人どうしがどんどん結婚して融合し、インドが英国と一体化する、などということは全く想定していなかったはずです。
 
 植民地とは、支配の対象ではあっても、1つの国として一体化することは想定していない先を言うのです。 
 あけすけに言えば、植民地とは「野蛮未開の非文明地域」なのです。もちろん、支配する側から見て、ですが。

 
 最初にあげたヨーロッパ国内の「国盗り物語」的ケースが、「植民地支配」という用語になじまない理由も、これで分かります。
 
 中核となる国(イギリス)は、被併合地域(アイルランド)のことを、たとえ貧しく弱小であろうとも同レベルの文明を共有する国として認識していますね。
 
 併合したからには、1つの国として一体化することを前提に政策を行っていく。
 だから、種々の軋轢(あつれき)を乗り越えて、中核地域人(イギリス人)と被併合地域人(アイルランド人)どうしが融合していき、国としての一体感が形成されていくことが期待された。
 
 アイルランドと朝鮮の近似 ■
 
 日本による朝鮮支配は、英国によるアイルランド支配と同じ用語で語るべきだと思います。
 
 日本と朝鮮。英国とアイルランド。
 言語も宗教も異なるとはいえ、文明の基盤は共有していて、中核国側としては一体化をめざした。
 
 一方、併合される側から見れば迷惑千万なことであり、アイデンティティー(独立と尊厳)を回復したいと望むのも当然です。
 併合される側にも、それだけの高い文明と独自の文化があるわけですから。
 
 アイルランドの歴史を振り返ると、
 
1801年  英国がアイルランドを併合する。
 
1922年  中・南部が、英国の一部としての自治領「アイルランド自由国」となる。(Irish Free State as a self-governing dominion)
 
1937年  「エール (Eire)」国として独立宣言する。英国もこれを承認。
 
1949年  「エール」国が「アイルランド共和国」となり、英連邦を離脱。
 
2004年  依然として北アイルランドは英国領。
 
 一見「進歩派」の典型的はぐらかし ■
 
≪日本による朝鮮支配はその苛烈さにおいてまぎれもなく植民地支配であった。≫
 
 日本の新聞・雑誌にどっぷり漬かっていると、こういう言い方にお目にかかります。
 実に、くさい球。
 
 こういう論者を呼びつけて、
「ところで、アイルランドは英国の植民地だったのですか」
と聞けば、
「植民地的状態に置かれていたとは言えます」
と言うのです。
 
「植民地なのか、そうでないのか、イエスかノーで答えなさい」
「……だから植民地的状態と申し上げておりまして」
「イエスかノーか」
「だから、そのですねぇ……」
と話をはぐらかすための説法を滔々(とうとう)と始めるのが、こういう論者の常です。
 
 こういう論者に
「では今の北アイルランドは英国の植民地ですか」
と聞けば、言語不明瞭の度はいよいよ高まり、ほとんど「朝日新聞の社説」状態になるのです。
 
 悔やまれる昭和10年代 ■
 
 1937年に独立した「エール」国。
 
 エールの独立を英国が許したのも、その西側がひたすら大西洋だったから。
 エールを侵略して、その余勢をかって英国に侵攻、などという虞(おそれ)のある国が存在しなかったからです。
 
 1937年といえば、満洲国成立の5年後です。
 
 「満洲国が安定し、ソ連南下・朝鮮侵攻の虞(おそれ)が遠のいたなら、朝鮮をふたたび大韓帝国として独立させる」
というような政治プログラムを打ち立てるだけの度量と先見性が当時の日本人にあったなら、歴史はずいぶん変わっていたろうにと思います。
 
 満洲国の大義名分が得られるのはもちろん、朝鮮人による主体
的な政治のための準備が穏当なスピードで始められたと思います。
 
 朝鮮独立が政治プログラムに入っていれば、昭和10年代後半に
多数の朝鮮語の新聞・雑誌を停刊に追い込むという野蛮も回避できたと思うのです。(全ての朝鮮語の新聞・雑誌が発禁になったわけではありません。)
 
 ジョージ・オーウェルの世界 ■
 
 ところで、鋭い読者ならこうご質問されるでしょう。
 
 「泉さんね、<朝鮮>を<旧植民地>と呼ぶべきじゃない、というのは分かったよ。ところで、台湾はどうなんだい。台湾には王朝もなかった。日本が支配を始めたときは、野蛮未開の土地だったよね」
 
 そういう鋭い読者には、こうお聞きするのです。
 
 「北海道も植民地ですか」。
 
 答は、北海道新聞さんにお聞きしたいですね。
 
 さて、きょうの号をまとめましょう。
 
 「日本による朝鮮の植民地支配」という用語は、いわばジョージ・オーウェルの『1984』に出てくる Newspeak のようなものです。
 
 「日本による朝鮮統治」を語るとき、その出発点から色をつけ客観的議論がしにくくなるように仕向ける政治用語なのです。
 
 ごく一般の人がそれに染められてしまうところまで、現代日本の Newspeak はみごとに花を咲かせ、人々の言語頭脳を拘束するのです。
 
 
 後記 ▼
 
 ジョージ・オーウェルの『1984』に出てくるニュースピーク (Newspeak) について解説します。
 
 『1984』というのは、英国人ジョージ・オーウェルが、スターリン独裁下のソ連を風刺して書いた小説です。
 
 小説の想定では、英国が社会主義統制国家となり、すべての人々の生活はテレスクリーンという双方向テレビを通じて「党」が24時間監視します。
 
 主人公ウィンストン・スミスは「真理省 (Ministry of Truth)」で過去の新聞記事の書替え・差換えを担当しています。
 党の指導者にとって都合が悪くなった過去のニュースは、真理省の職員によって刻々と書き変えられていくのです。
 
 今の朝鮮国を超える、極限の統制国家。
 

 
 情報操作をする役所をあえて「真理省」と呼ぶのがその一例ですが、この統制国家では、人々の思考を縛(しば)って、自由な思考ができないようにするために、ニュースピークという独特の英語が開発されます。
 
 たとえば「強制労働収容所」は joycamp「喜び宿営所」と呼ばれます。
 (「喜び組」というのがありましたなぁ。)
 
 「姦通」「同性愛」「楽しむための性行為」は全て sexcrime(性犯)という1語でもって片付けられ、細かい区別がつけられません。
 全て、死刑になる犯罪だから、区別の必要がないから、というのがニュースピークの思想です。
 
 賢明な読者ならもうお分かりでしょう。
 
 「イギリスによるインド統治」と「日本による朝鮮統治」を、その内実を区別せず「植民地支配」と呼ぶのは、まさにこのニュースピークのようなものなのです。
 
 日本による朝鮮統治のことを、当時の日本人は「植民地経営」とは考えていなかったはずです。
 これを「植民地支配」と呼び始めたのは、明らかな政治的意図がこめられています。
 ニュースピークの1語1語に、思考呪縛のおそろしい意図がこめられているごとく。
 

 
 誰なのでしょう。
 「日本による朝鮮の植民地支配」という朝鮮人にとってまこと
に失礼千万な用語を世に広めたのは。
 
 それはおそらく、「慰安婦」さんへのいたわりの気持ちなど露
ほどもなく、年老いた彼女たちを「性奴隷」と呼んで、自らの政
治運動に利用する勢力と、同じ人々だろうと思います。