次世代支援策の決定版
 
 

  
平成13年4月に配信誌(メールマガジン)を始めて以来、
いちばん反響の多かったコラム。

  
  
 


目次

若い母親への手当金の充実を (平成16年8月23日配信)
反響
フランスではとっくにやってます (フランス・マルセイユ近郊)
子育てインフラは十分だが… (シンガポール)
子育ての楽しさって… (大阪府)
本能の行き着くところ (エクアドル・キト)
個々人に優先順位があるはず (東京都)


  少子化対策は若い母親への手当金で
  
  
【平成16年8月23日配信】
     
 日本の適正人口は現在のドイツくらいだろうと思ってきた。
 ドイツの国土面積は日本の約94%だが、平地は日本と比較にならぬほど広い。その国土に、ドイツの人口は 8,200万人だ。日本の人口の約64%でしかない。
 それでもって、国としての存在感はすでにして十分だ。 
  
 1億2700万人の日本の人口。4000万人ていど減っても、ちょうどいいと思う。
  
 とはいえ、22世紀になってもなお長期低落が進行すると、えらいことになるから、軌道修正をしてどこかで安定人口にもっていきたい。
  
 そこで「少子化」対策の決定版を考えた。
 財源として消費税率を 3.3 % 上げなければならないが、その価値はあると思う。
 若い日本人の人生設計をがらりと変える政策提案をしてみたい。
  
 堺屋太一さんも悩んだ ■
  
 8月8日のNHK「日曜討論」で、坂口 力(ちから)厚労相を堺屋太一さんらが囲んで、これまでの少子化対策政策では効果が上がらない、方向性が間違っていたのではないか、と嘆き合っていた。
 
 保育所を作ったり、育児休暇制度を充実させたりと、政策目標は達成しているのだが、子どもの数は一向に増えない。
 
 堺屋さんの指摘に、なるほどと思った。思い切り要約して言えば ――
  
 「今やっているのは、女性が働きやすい社会にするための政策であって、子どもを増やす政策ではなかったのではないか。」
 
 「女性もまず働いてキャリアを積み、30代半ばに結婚しよう、という流れがあるが、むしろ学生時代に結婚して子どもを持つというような <早婚> が広がったほうが子どもは増える。」
  
 「子育ては大変だ、という思想を変えていかねば、抜本的解決にはならない。」
  
 確かに、少子化対策についての役所の作文をインターネットで見ると、「仕事と子育ての両立の推進」というのがキーワードになっている。
 「厚生」族と「労働」族が寄り合って作文するとこうなる、という見本を見せられたごとくだ。
  
 お母さんへの手当額のインパクト ■
  
 若いお母さんたちが「働きながら子育てをする」ことを前提とするのではなく、「働かずに子育てを楽しめるだけの余裕が持てる」ような制度を考えてみよう。
 
 若いお母さんたちに、思い切り潤沢な子育て手当てを支給する
制度はどうだ。
  
 期間は、子どもが満5歳になるまでの5年間だ。
 子どもが小さいあいだは、家で子育てに専念することもできるように、という考え方。
  (子育てに「専念せよ」、というのではない。あくまでお母さん側の「選択肢」が広がるように、という政策だ。)
 
 手当て支給には、お母さんの年齢に応じて思い切りメリハリを付ける。
 早婚奨励の制度だから、若いときに子どもを産むほどトクをする制度だ。
 
母親の年齢    手当の月額(万円)  手当の年額(万円)
22歳以下        10                120
23歳              9.5            114
24歳              9                108
25歳              8.5            102
26歳              8                  96
27歳              7.5              90
28歳              7                  84
29歳              6                  72
30歳              5                  60
(おわり)

  
 制度の目的を見据えたメリハリ ■
 
 31歳なら月額4万円、32歳なら月額3万円…… というのを最初は考えたのだが、それは税金の無駄遣いだと気がついて、30歳・月額5万円であえて打ち止めにした。
 
 「早婚奨励」「子育てへの専念」がキーワードなのだ。 
 31歳以上のお母さんに手当を差し上げても、「早婚奨励」にはならない。
  
 この表の流れに従えば、34歳のお母さんには月額1万円に手当が付くが、そんな「はした金」では、子どもを産もうという決心に何の影響も与えないだろう。
 額にもメリハリが必要だ。
  
 手当は、所得税の対象外とする。
 
 支給対象者は日本国籍の人に限る。
 在日韓国人・朝鮮人は不可だ。手当が欲しければ、帰化してもらいたい。
  
 この制度があれば、学生結婚して卒業と同時に22歳で子どもを産んだら、月額10万円の手当となる。
 夫婦のうち何れか1人が働いて初任給をもらい、この手当をプラスすれば何とか生活は成り立つはずだ。
 
 子どもを産むほど家計が楽になる ■
 
 手当は、子ども1人当りの金額だ。
 24歳で2人目の子どもを産めば、9万円×2で18万円の手当がもらえる仕組みだ。
 
 もしも年子(としご)で3兄弟ないし3姉妹を24歳までに産んでしまうと、24歳のときには9万円×3で27万円の手当がもらえる。
 
 24歳の女性が役所や会社で働いたとして、相当残業をこなさないと月給27万円は出てこない。働くより子どもを3人産んだほうが、瞬間風速としては収入がいい、ということになる。
 
 3人の赤ん坊をかかえた24歳の女性は、重労働なのだ。こちらは「残業」どころか「24時間勤務」状態なのだから。
 社会がこの重労働に報いてあげてもいいのではないか。
 
 若い人は苦労するのが当然、とばかりに、老人にばかり手厚い制度を作ってきたのが日本の政治である。
 若い世代のための政治の充実を図っていくべきだ。それが若い人たちの政治への関心を盛り上げることにつながる。
 
 公的な教育ローンは円借款よりも優遇条件で ■
  
 この制度だと、若い夫婦の間のベッドの会話で、 
 「ねえ、あなた、最近ローンの返済が苦しいの。3人目も早くつくりましょ」
 「そうだね」
などという場面もありうる。 
 早く産んだほうがトクだ、と思わせるだけのインパクトのある金額だと思う。
 
 子どもがいるから高額の手当がもらえると思えば、子どもの夜泣きも、ぐっと我慢できるかもしれない。
 子どもを折檻(せっかん)して死なせるような未熟な若い親は、いなくなるに違いない。
 
 母親が30代になったら手当は打ち切りになり、一方で子どもの学費は跳ね上がっていく。これが日本の親のもう1つの不安だ。若い夫婦の将来の不安を取り除くために、教育ローン制度を充実させよう。
 借入人の名義を親と子の連名にして、親と子の生命保険を担保にした公的ローンの制度を作ればいいと思う。
 
 返済期間も金利も、反日独裁国中国への円借款より優遇条件でなければならないことは勿論だ。
 
 所要予算は年6兆3千億円 ■
 
 さて、この制度を導入するのに、いかほどの費用がかかるか。
  
  今年7月現在の人口統計はこちら:
http://www.stat.go.jp/data/jinsui/tsuki/index.htm#05k2-1
 
 0〜4歳の人口が合計で576万人だ。平均して毎年115万人の出生ということになる。
 
 目標値はどこに置けばいいのだろうか。
 ひとまず40〜44歳の合計人口785万人を参考に、年間150万人の出生を目標値として設定しよう。
 
 出産年齢を26歳と仮定しよう。これを母親の平均年齢と考える。
 (いくら早婚奨励といっても、実際にここまで若返ることはないと思うけれど。)
 
 手当の支給対象は、制度導入後に生まれた子どもをもつ母親に限定する。この辺は、「運命の分かれ道」と割り切っていただくしかない。
 
 初年。
 26歳の人は8万円×12 = 96万円の手当をもらう。
 96万円 × 150万人 = 1兆4,400億円だ。
 
 5年目で、初年に生まれた子どもたちも満4歳となり、手当を母にみつぐ役目も最終年となる。
 その5年目の時点の所要費用総額は、対象となる母親の平均年齢を28歳として計算しよう。
 28歳の人は7万円×12 = 84万円の手当をもらう。
 84万円 × 150万人 × 5 = 6兆3,000億円だ。
 
 同じ消費税でも「払い甲斐(がい)」が違う ■
 
 6兆3,000億円というのは、いったいどのくらいの金額か。
  
 日本のGDP(国内総生産額)が約500兆円である。
 6兆3,000億円は、その約 1.3 %だ。
 
 GDPの約 1.3 % を費やしただけで、日本の将来を劇的に変えることができるとすれば、安いものだと思う。
 われわれが営々と勤労に励むのは、未来を創造するためなのだから。
 
 日本の消費税税収が年間約9兆5千億円である。
 5%の税率で9.5兆円だから(本気で取立てをやればもっと増えるとは思うが)、3.3 %の税率アップでもって6.3兆円の新たな税収が確保できる計算だ。
 
 老人の福祉のために払う消費税で 3.3%アップは抵抗があるかもしれない。
 しかし、若い母親支援の手当は、日本の明日のための投資そのものだ。消費税 3.3% アップは、安いものではないか。
 
 後記 ■
   
 今回の政策提案、日本全国でいきなり実施というのは冒険かもしれませんが、財源の豊かな自治体で率先実施してみては?
 そうすると、全国から若奥様と若旦那とベビーたちが集まってくるかも。
 
 コラム子提案の政策に真っ向(まっこう)から反対しそうな集団もいます。
 「ジェンダー・フリー」を唱える夢想家の群れ。
  
 手当の対象者を「母親」に限っているのは男女差別だ。
 年齢による差別は人の尊厳を踏みにじるものだ。
 伝統社会における男女の役割分担を何ら疑問視せず、女性に出産・子育てを押し付けようとするものだ。
  ……。
 
 いますよね、こういう頭の悪い人たちが。 
  
 結婚しない自由。子どもを産まない自由。性転換する自由。
 手当をもらわない自由。
 ひとつも否定してませんよ。
  
 未婚の母も手当支給の対象であることを付け加えておきます。
 
 
 

   反  響    


 フランスでは、とっくにやってます
 
 フランス共和国マルセイユ近郊のマリニャーヌ市にお住まいの読者の方から平成16年8月29日にメールをいただきました。
  
≪今回ご提案の育児手当は、すでにフランスでは実施されています。
 
といっても、その恩恵にあずかっている人々のなかで目立つのが、「失業アラブ移民」です。コーランに則(のっと)って子沢山なのです。
 
「アラブ移民は、失業手当と育児手当を泥棒している」という声がフランス人の間に広がっていて、これがフランス右傾化の原因のひとつにもなっています。
 
 非婚夫婦の価値観 ◆
 
印象論ですが、「子供を産みやすい環境」が大切なのはもちろんですが、「子供を作りやすい道徳観念」を根付かせることも日本にとって重要なことだろうと思います。
 
フランスには「非婚夫婦」が多い。子供作りをためらいません。
「恋愛関係において子供ができるのは自然だ」という考え方が浸透していて、婚前に子供ができても罪の意識はない。
 
結婚していなくても、男性側が子供に自分の苗字を与えるのが普通。フランスで妊娠中絶は、まずありえません。
 
夫婦が離婚した場合も、扶養権を誰がもつかにかかわらず、子供の苗字変更はありません。
 
ちなみに私の義姉は再婚相手との間に二人目の子供ができた時点で結婚しました。
ですから、それまでは表札に、前夫との間に生まれた子供(前夫の苗字)、夫、自分(義姉自身の苗字)の、3つの苗字が掲げられていました。
 
妊娠出産による休職は5年。彼女はほぼ10年近く休職していましたが今年2月に職場復帰しました。
 
 潤沢な母子家庭手当「ママン・イゾレ」 ◆
 
フランスには、泉様がおっしゃる「養育手当」が存在するのはもちろん、「ママン・イゾレ」という手当も存在します。
 
「ママン・イゾレ」は、直訳すれば「孤立した母親」。つまり「母子家庭手当」です。
子供1人をかかえる母親の場合,ほぼフランスのSMIC(最低賃金)と同じ金額が支給されます。
 
私は2年前、地元の職業訓練校でロシア女性と同じクラスになりました。
彼女は、「ゴミ箱をあさるようになった」ので、息子と一緒に観光ビザでフランスに入国し、偽装結婚に成功した女性でした。
市役所で挙式後しばらくして、浮気などなど夫を挑発する行動を取り、見事に「無料離婚」に成功しました。
 
驚いたことに、1度でもフランス男性と結婚すると、ロシア国籍の彼女と息子(その父親はロシア人だが)に、この「ママン・イゾレ」が適用されるのです。
 
フランスは馬鹿だ……と私は思いました。
(というより実際「フランスは優しすぎる」と言っているフランス人は多い)。
 
 税金のモトをとるために離婚? ◆
 
家庭状況によって税金の徴収額に差をつけるのが、フランスのやり方です。下手に「国家が認めた夫婦」になると、税金地獄に陥ってしまうのです。
 
公立の託児所に子供を預ける場合は、給与証明を提出します。給与額で育児料支払額が決まります。
 
なぜフランスで離婚が多いのか。
離婚をすることで税金が軽減されたり、「ママン・イゾレ」、住宅手当などの手当が、男性女性双方にフンダンに用意されているのです。
 
法律上は「離婚」して、その後「通い婚」にすればよい、ということになります。
ベラボウな税金を支払っているので、「モトを取ろう」とする人も多いのでしょう。
 
 若い人たち ◆
 
日本人は、高い道徳観と遵法意識で、婚前出産や離婚に後ろめたいものを持ち続けてきました。
泉様がおっしゃるような税制改革が、この道徳観にどう作用するのかな? と興味を持ちました。
 
同じ欧州内でも、アイルランドのように、婚前妊娠が発覚したら出産まで修道院に強制収容という国もあります。同じカトリック国でも、道徳観にはかなりの隔たりがあるのが現状です。
 
さて、日本ですが、数年前に知人の妹が大学一年生で妊娠出産しました。夫婦揃って青山学院在学中でしたが、何でも学生結婚の場合、授業料が半額になるそうです。≫
  
 
 コラム子から一言】
 
 お〜。フランスというのは、いつも何かの「政治実験」をやっている国なのですねぇ。
 実験を積み重ねながら、「国」として「国民」として、本当に護(まも)らなければならないものが何なのかを、常に模索しているのではないかと思えます。

 それにしても、妊娠出産による休職が5年間でも可能とは、いい制度です。妊娠出産に限定せず、「計画的無給休職の自由」をもっと認めほしいものだというのが、コラム子のかねてよりの思いです。
 
 
 子育てインフラは十分だが…
シンガポールにお住まいの読者の方から8月26日にメールをいただきました。
   
≪私は25年前からシンガポールに住みついておりますが、当時シンガポール政府は各家庭の子供の数について、
“two is enough”
という政策を打ち出しておりました。
つまり子供は2人で十分、という訳です。
 
 10年前の曲がり角 ◆
 
国土の小さいシンガポールで、あまり人口が増えるのは困るという思惑だったのでしょう。しかし、その後の目ざましい経済発展。
 
男性には兵役義務があり、継続的な業務を女性が担うことから、女性の地位も向上しました。社会構造・風潮の変化が著しく、若い人たちが子供を生まなくなってしまいました。
最近は日本の出生率よりも低いと言われております。
 
慌てた政府は、約10年ほど前から、
「もっと子供を産みましょう」
と掛け声をかけ始め、そのためのインセンティブ(促進策)もあるようです。
が、効き目は今ひとつといったところでしょうか。
 
 「子育てインフラ」十分のシンガポールだが…… ◆
 
シンガポールでは女性が働けるインフラは十分に整っております。
特に、家庭の雑務をこなすメイドさんは、インドネシア・フィリピン・タイなどから、14万人も来て働いております。
 
シンガポール全体が400万人の人口ですから、このメイドさんの数は大変なものです。
そうすると、子育ても楽だろうと想像するのですが、それでも子供の数は増えません。
 
私がシンガポールに赴任した頃、当時のリー首相は、
「教育の低い女性ばかりが子供を沢山産み、高い教育の女性が子供を産まないのは由々しき問題だ」
と発言し、物議をかもしました。
 
恐らくリー首相は、シンガポール人の質の低下を危惧したのでしょう。
 
 高いGDPも国民流出を止められない ◆
 
シンガポールは、物価レベル調整後の1人あたりGDPが、日本よりもむしろ高いくらいまでに経済成長をとげました。 
それでもオーストラリアなどへ移民する人たちが絶えないのは、日本人には理解しがたい現象です。
 
もともと、ある意味で「根無し草」である華僑の発想は、こんなものなのでしょうか。
 
もっとも政府側もそれは良く承知し、積極的にシンガポールへの移民を奨励しています。
永久居住権を取った外国人に対しシンガポール国籍への変更を勧めております。≫
 
 
 コラム子から一言】
  
遠くへ行きたい、というのも、人間の本能のひとつ。
 
その本能があったから、アフリカの真ん中で生まれた(とされる)
ホモ・サピエンスが、地球のはてまで広がったのかも。
 
さて、遠くへ行ったあと、いつかは戻ってきたい国かどうか。
これも、国を格付けする尺度になるでしょうね。
 

 子育ての楽しさって…
 
大阪府にお住まいの読者の方から8月24日にメールをいただきました。
   
≪共働き2児の母(常勤)である私の、率直な感想です。
ちょっと辛口ですが、なにかご参考になることがあれば……。
 
 人生の伴侶を決めるには… ◆
 
堺屋氏のご発言趣旨の
「今やっているのは、女性が働きやすい社会にするための政策であって、子どもを増やす政策ではなかったのではないか」
は、まことに的を射た見解だと思います。
 
しかし、それに対する泉様のご提案は、残念ながらうまくいかないのではないかと私は思います。
その理由は、お金のため「だけ」に人の心がうごくことは、あまりない、と思うからです。
 
私自身にあてはめると、20歳の段階で、
「この人(彼氏)はちょっとものたりないけど、養育手当が貰えるから今結婚して子供でも生むか」
とは、ちょっと考えないとおもいます。
 
やっぱり30歳くらいまで、めぐりあえるかもしれないステキな人(?)を探してしまうのではないか……。
 
養育手当を当てにして人生の伴侶を適当にえらぶことは、うーんできないかも……。
  
 若いうちのキャリア ◆
 
また、熱い(若い)うちに仕事のキャリアを積むことは、ちょっとお金とは交換しがたい経験である、というのも率直な感想です。
単純に考えても、大学在学中に子供を産み幼児を抱えて女性が就職するのは困難を極めると思います。
 
また、就職してやる気に燃えている女性が、仕事を何も覚えていない状態で子供を産む気になれるかどうか。
 
3年なり5年なり、自分が何かすこしでも仕事をモノにするまでは、子供を産む気にはなれないのではないでしょうか。
 
この時期のキャリア形成は自身の一生に大きく影響することですから。
 
 苦労の軽減は、どうすれば ◆
 
では、どうすればよいのでしょうか。
 
先日読んでいたコラムで、なるほどと思うものがありました。
「日本の子育ては、諸外国に比べて、手間をかけすぎているのではないか?」
というものです。
 
「アメリカなどでは、生まれたときから子供部屋を設けて、夫婦の寝室と別にする」
「ベビーシッターなどを頼んで夫婦で頻繁に外出してしまう」
などの例があげられていました。
 
アメリカ型がいいかどうかは、ちょっとおいておくとして、諸外国と比して子育てが大変というのは、私もそう思います。
 
香港も、共働き家庭は外食が基本で、そのため外食産業が大変充実している、と読んだことがあります。
 
「日本の子育ては……」のコラムは、子育ての楽しさをもっと若い人にアピールできないものか、といった話で終わっていたと思うのですが、私もそのアプローチが今のところ一番有効ではないかと思います。
 
子育てから得られる喜びは、なにものにも代え難いものでありましょうから。≫
 
  
 コラム子から一言】
 
 軽快なご批評をいただきました。
 この読者の方に掲載のお願いをしたところ、承諾とともに、こう書いてこられました。
  
 
 実はあのあと、少子化の話題が次から次へと目や耳に入り、自分の認識は甘かったと、ちょっと反省しております。
  
職場環境から、子供など到底出産できない状況の女性が依然として数多くいることを痛感します。
(実は先週も保育所のママさん仲間が、IT関係のお仕事をおやめになりました。けっこう悲しかったです。)
 
子供を産むのがすごくしんどい状況のママさんへの応援のつもりで書いた感想だったのですが。≫
 
 
 高齢化社会であってみれば、若い人の子どもを預かってあげてもいい、という人生の達人たちも少なくないはずです。
 
 「人生の達人たちと若い共働き夫婦をどう結びつけていくか」も、政治の重要なテーマです。
 
 手当金は、達人たちに子どもを見てもらう礼金にも使えます。
 外食・給食利用に、手当金を使うこともできるでしょう。
  
  
 本能の行き着くところ
 
南米エクアドルのキト市にお住まいの読者の方から8月24日にメールをいただきました。
   
≪南米エクアドルの植林会社に出向し、自称環境団体や、一寸先が読めない政府当局に振り回されている毎日です。
いわば高齢出産で、1歳10ヶ月になる男児の母となってしまいました。
微力ながら少子化の歯止めに貢献(?)した者として、私見を少々。
  
 少子化は、「格好よさ」の追求の結末? ◆
  
泉さんのアイデアは意外と効果がありそうで、検討の余地があるかと思うのですが、そもそも「少子化」の話題そのものが、女性としては、何だか「女は子産みマシーンだ」みたいに思われているようで、ちょっと悲しいものがあります。
  
そう思うのは、私だけでしょうか。
  
もし今の若い女性たちもそう思っているとしたら、それが少子化の原因の一つかなと思います。
  
なんでこうなっちゃったんでしょうかね。
  
テレビドラマや映画や小説などに、バリバリ働くおしゃれなキャリアウーマンが登場し、家事と育児に追われる疲れた主婦より全然格好良いと思う風潮が出来たから?
  
だとしたら、家事と育児に専念する格好良い主婦をモデルにした映画を沢山作ればいいのかしら。
   
 本能が求めるもの ◆
  
堺屋氏がおっしゃる通り、子持ちの女性が働きやすい社会にしても、子供を沢山産もうという気には根本的になれないと思います。
  
私などかなり恵まれていて、家事全般をしてくれるメイドと、ベビーシッターをしてくれる人を、安い給与で雇っていますが、それでも育児はしんどいです。
たった1人の子供でも。
  
それは多分、どこかから落ちたり、変なものを飲み込んだりしないように、常にウォッチしてるからかもしれません。
  
昔、子供が7〜8人いてもそれほど しんどくなかったのは、1人1人にかける手間が多分少なかったからで、だから乳幼児の死亡率も多く、1人2人死んでしまうかもしれないから沢山産んでおこうと、本能的に思っていたのではと思います。
  
今は医療が進み、親だけでなく外部も乳幼児に対して手間をかけてくれるので、生存率がかなり高くなり、子供を失うリスクも減った。それを誰もが本能的に感じているのではないでしょうか。
 
 2人目が欲しいのも…… ◆
  
それでも、
「子供が一人だけだと、万が一死んでしまったらショックが大きいだろうから、せめてもう一人くらい欲しいわ」
とは、私でさえ思っていますが、これも本能でしょう。≫
 
 
 個々人に優先順位があるはず
 
東京都にお住まいの読者の方から8月23日にメールをいただきました。
  
≪一児の父(30代)です。
8月23日配信のコラムは、なかなか刺激的な提案で、私も色々と考えさせられました。
 
 少子化の3大原因 ◆
 
「少子化」には、いろいろな原因があると思います。
 
(1)女性の初婚年齢の上昇
   (初産年齢が上昇。肉体的・精神的限界から、1人当たり出産数が減少。)
 
(2)女性の労働意識の変化
   (女性側は仕事を続けようと思っているのに、雇用者側や職場の意識はなかなか変わらない。出産したら職場復帰がどうなるか分からないから、出産を控えてしまう。)
 
(3)保育環境の不備
   (保育園の数は増えても、質が問題。夕方6時までの保育しか行わない園が多い。大都市圏では職場と住まいが離れているケースが多いのに、子どもの入園は居住地の自治体の保育園しか申請できず、遠距離通勤に対応できない。)
   
泉さんの提案を見ると、「戦略的」な給付を想定していますね。
 
「子どもを増やすのに最適と思われるグループ」への働きかけとしては即効性があると思います。
 
しかし私が上にあげた(2)(3)とはどうも合致しません。
 
 個人の優先順位 ◆
 
泉提案では、確かに早齢での結婚を促すこととなり、少なくとも(1)については寄与・貢献すると思われますが,けっきょくは「個人の優先順位の問題」に帰着するように思えます。
 
遅く結婚する人は、そもそも何に優先順位を置いているのでしょうか。
 
若いうちに結婚して、早々に子どもをもうける(そして専業主婦となる)人も少なくないが、そのような人たちは生涯に1人しか子どもを産まないケースが多い、という調査結果があります。
 
泉提案は、そういった人たちに訴えかけるものはあると思いますが、そうでない人たちにはどうでしょうか。少なくとも、私の周りの働く女性たちは、カネに拘泥している訳ではないようです。
 
つまり、家庭外労働に、金銭報酬だけではなく、それプラス「何か」を求めている。(これは何も女性に限ったことではなく、男性についても言えることではあります。)≫
 
  
 コラム子から一言】
 
 個々人のニーズが多様であるからには、1つの政策で全ての人のニーズに応えられるわけがないですね。
 でも、ある一定のターゲット層に対して確実に有効な政策、というのは存在します。
 
 「20代の母親への手当金」というのは、多彩な政策メニューの1つに加えてはどうか、という提案であるわけです。